スクリャービン:プロメテウス7台ピアノ編曲版多重録音の過程


 

 

 

第1ピアノレコーディング。カナダのケベック市にある、Palais Montcalmホール。左がエンジニアのカール・タルボット氏、右がピアノ調律師のマルセル・ラポンテ氏。岡城千歳がインスタグラムにホールやケベック市内の写真をアップしていますので、ぜひご覧ください。https://www.instagram.com/chitoseokashiro/





第1ピアノレコーディングの音源をもとに、自宅で多重録音の練習。第1ピアノをPro Tools にインポートして、第2~7ピアノを自宅で録音、Pro Toolsですべてのピアノパートを重ね、音像をシュミレーション。編曲もそれに並行して推敲。左は推敲中の自筆譜。



 

第2~7ピアノレコーディング。写真左側にあるデスクの上のヘッドフォンで第1ピアノを聴きながらの多重録音。第1ピアノレコーディング時と同じホールで、同じピアノで、同じマイクで、マイクの位置も同じで、とすべて第1ピアノレコーディング時と同じ条件にするのが必須。プロメテウスCDに収録されている、スクリャービンソロピアノ曲もこの後に録音。(コロナ前です)岡城千歳がインスタグラムにホールやケベック市内の写真をアップしていますので、ぜひご覧ください。https://www.instagram.com/chitoseokashiro/

 

 

 



リスニングしてテイク選びとエディティング。ピアノが7台の箇所はピアノ1~7の間でテイクのいろいろな組み合わせが存在して、リスニングだけでもかなり大変でした。上記写真は、リスニングに使用したPro Toolsソフト。7本マイクx7台ピアノ=49トラックなのだが、縦に49トラックは一度に収まりきらないので、上記写真左側は7台ピアノをすべて1画面の縦に収めようと各ピアノパートをマイクロサイズにしたもの。7つの帯状のものが各ピアノパート。しかしこれでは波形が見えないので、第1ピアノだけを普通サイズにしたものが右側写真。マイク7本で各マイクに色が振り当てられているので、7色が見えます。(岡城)



判読不可能な自筆譜をエンジニアにお渡しするわけにはいかないので、オケのスコアに各ピアノパートを色付けしたものを使用しました。写真左側の楽譜は第1ピアノ用専用なので色付けしてありませんが、右側の楽譜はミキシング時の楽譜。ピアノ1~7の各パートがわかりやすいように、一番各パートが一目でわかりやすいパッセージだけに色付けしてあります(色付けしてある通りにひいてるわけではありませんのでご了承くださいね)。写真のページはピアノ1~5の5台重なってるところなので、第1ピアノが無色、2~5は4色で色分けしてあります。(岡城)


 

 

カナダのモントリオール在住のエンジニア、カール・タルボット氏とミキシングのオンラインリモートセッション。モントリオールのカールのミキシングの音がニューヨーク在住の岡城のスピーカーから流れてくるようにオンラインでつなぎます。少し前までは困難だったリモートセッションも今では完璧にできるそうで、思い描いている音ができてくるのがとても楽しかったということです。ミキシングだけでなく、レコーディングももはやリモートで行われる時代だそうです。


マスタリングエンジニアのアンドレアス・マイヤー氏とのリモートセッション。「グレン・グールドのお話なども聞けて楽しかった。レコーディングとミキシングのカール、マスタリングのアンドレアスは、本当に素晴らしく、私の長年追い求めてきたスクリャービンの法悦の音を音楽的側面とオーディオのテクニカルな側面の両方から深く理解してくださり、このお二方の素晴らしい音作りなしでは、49トラックの多重録音のこの複雑なプロメテウスを実現させることは到底できなかった、心より感謝しています」との岡城のコメントです。